視覚障害をもつ方々の「生の声」を、お伝えしていくこのコーナー。お久しぶりの第12回目は、職員2名と、ライトハウス内で働く弱視の職員である「白杖ガール」2名にご協力いただき、4人で対談を行いました。普段のお仕事や、日常生活の話をお伺いしました。

語りあうメンバー1

●ライトハウス職員S(以下S)
●ライトハウス職員K(以下K)
●弱視ガールM(以下M)
●弱視ガールO(以下O)

S 今日はお集まりいただきありがとうございます。京都ライトハウス職員のSです。
K 同じくKです。Oさんとは広報委員会でも一緒に仕事しています。
S Mさんと初めてお話したのは外でMさんが黄色のテープに絡まっていた時(笑)。
M 工事現場のテープが風でなびいて、スカートにくっついてしまいゴキブリホイホイ状態に(笑) Sさんが後ろから「取りましょうか~」と声をかけてくれました。
O おもしろい出会いですね(笑)。京都ライトハウスのOです。よろしくお願いします。
S さっそくですが、みなさんドラマ見てますか?めっちゃキュンで清いですよね(笑)。
このドラマ、実生活と比べてみてどうでしょう?
M 結構リアリティーがあるかな。よくある某24時間番組のドラマとかは嘘くさいものが多いけど、白杖ガールは結構おちゃらけたシーンや、
心にグサッとくるシーンもあって現実に近いと思います。
O 心情の部分とかは結構近いと思います。見え方は人それぞれですけど、弱視を取り上げるのは今までになかった。
世間の人たちからすると、白杖=まったく見えない人というイメージだと思うので。
S お二人の見え方はどんな感じなんですか?
K 白杖ガールの主人公は白いビニール袋を通したような見え方とドラマで紹介されていました。
M わたしも似ています。スーパーの袋越しに見える感じなので、人がいるのも物があるのも分かってあまりぶつかることはないけど、
視野がすごく狭いから、思っている以上に近づき過ぎていて気づかなかった、なんてこともありますね。
あとは、グレーやカーキなどのはっきりしない色の服を着ている人はあまり見えなくて、ぶつかってしまったりとか。
K Mさんはドラマと近い感じですね。Oさんはどうですか?
O 右目はわたしも似ています。擦りガラス越しに見えている感じ。
その擦りガラスの一部だけが透明度が高くて、そこで上手くとらえられれば良く見えます。
画質の粗いカメラで撮った写真を雑に組み合わせたような?
M そうそう、画素数が低いって感じかな?
登場したばかりの携帯カメラで撮影したものに似ているかな?
O そうですね。暗くなっているというイメージではないですね。ただ、似たような色や立体的ではないものが置いてあると、
見えないことはあります。同化しちゃうって感じかな?
雨の日はポールにぶつかったり、どこが道か分からなくなったり。
M わかりますー。雨の日は違いますよね。道かと思って歩いて行ったら段差があったりね。普段色を頼りにしていると、
雨の日は色が変わるから頼りにできなかったり。
K ここは歩きにくいなーとか、危険だなーと思うところはありますか?
O 街灯が少ないところや夜道ですね。日中は歩けている道でも、夜道ではまったく違って見えたりするので難しいです。
S お二人の仕事内容を教えていただけますか?
M 見えない・見えにくい方の生活相談を受けています。
最初は京都視覚障害者協会で1年半ほど事務員をしていたんですが、去年くらいから相談員に転向しました。
O わたしは用具類の相談も受けています。ルーペや読書器のご利用相談ですね。
S Oさんといえばロービジョン相談というイメージがあるんですが、相談はどのような流れなんですか?
O まず、事前相談の段階で見え方や視力については確認済なことが多いんですが、実際の見え方とは違うことがあります。
伺っていたよりも見えなかったり、見えたり。お話ししていく中で、見え方に合ったものをご提案しています。
(第二弾へ続く)