第18回ほっこり散策
公開
「源氏物語ゆかりの地で宇治茶文化に触れる ~石臼で抹茶づくり~」と題した今回のほっこり散策の舞台・宇治市は、京都市に次ぐ、府内2位の観光地らしい。海外の抹茶人気も後押ししてか、外国人観光客はそこここに見られた。このところ、雨がちらつく日は週に一度ぐらい。なのに、この日に限って一日雨。最高気温も23度と、一気に涼しくなった。受付で利用者さんの姿を見かけ「○○さーん」と声をかけると、少し距離がある中でもわかった○○さんの口の動き。「あ・め・お・ん・な」。むむむ…! 悔しいが、あながち間違ってはいない。それともこれは、天の配剤?
※後日この方とお話をすると、ほっこり散策前に下見に行かれたと。その日ももれなく、雨だったと。ならば、あなたこそ雨男じゃないですか!
お茶の香りがほんのり漂う店内から宇治資料館に移り、お茶の歴史や種類、製造方法などを学んでから、メインの抹茶づくりへ。一人一台の石臼を前に「反時計回りに、3秒で一周でーす」とレクチャーを受けた後、皆さんめいめいに「いち、にい、さんっ」と声に出しながら石臼のハンドルを回す。石臼自体の直径は20cmほどに見えたが、けっこう重たそうだった。
体験はまだまだ続く。挽いてできあがった、石臼の溝にある抹茶をはけで集めるのだが、これがまた難しそう。せこい性分の私は、せっかく挽いたものを一粒でも逃すまいと、時折お手伝いに加わった。さらに茶こしでこした抹茶を茶杓で茶碗に入れる。ひしゃくでお湯を入れてもらったら、いざ、お茶を点てる! 福寿園の方が助っ人に入り、茶筅で点てる音を聞くと「シャカシャカシャカ…」の感じが全く違う。手首まではしっかり固定し、スナップをきかせるというのだろうか、手首の先だけをとにかく素早く動かしているように見えた。
非売品のほうじ茶ようかんと一緒にいただいたお抹茶の味は…? 「おいしかった!」「ほっこりしました!」 おあとがよろしいようで。
(はなのぼう11月号より)