今年もよろしくお願いします

2004年1月15日。現在の京都ライトハウスで竣工式が行われた。実際に業務を開始したのは4月だが、この日は産声を上げた日ともいえるだろう。あれからもう20年。人間だと、成人式が行われる年だ。また、京都ライトハウスの歴史、約60年のうちの3分の1が現在の建物で作られたのかと思うと、ある種感慨深いものがある。

昨年の暮れ、府内の公共図書館の職員さん相手にお話をさせていただく機会を得た。お題は「接遇について」。これまでの経験の中から、お伝えできることは何だろうか…。
「視覚障害者に、どう接したら良いか」。図々しい私は、わからないものは相手に直接聞くしかない、そう思っている。同じことを何べんも聞いて、相手に迷惑をかけるのは違うと思うが、正直に尋ねるのもコミュニケーションのひとつ。ひょっとすると最初は戸惑いもあるかもしれないけれど、それを職員側がいつまでも持ち続けると「壁(バリア)」になるのは自明。
白杖を引っ張らないでとか、後ろから押さないでとか、最低限「これだけはしないで」ということはお伝えしたが、あとはぶつかり稽古、体当たりで学んでいただくしかない。そうして互いを理解しようという心意気は、とても大切なことだと思う。

2024年は甲辰(きのえたつ)。「きのえ」は甲乙丙丁…の十干(じっかん)の最初。「たつ」は水を司り、権威の象徴とも言われている。今年は物事を始めるのに、向いている年なのかもしれない。
縁あって、サービスでは今月から新たに一人、職員をお迎えする。短い間だったがこれまでの経験をフルに活かし、新しい見識を与えてくれた職員にも感謝しつつ、また新しい人にも期待したい。

(はなのぼう1月号より)