いろはにほへと
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「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」。栴檀とは白檀を指し、白檀は発芽の頃から香りを放つとされ、大成する人は幼い頃から秀でているというたとえ。幼い頃は香っていたのにハタチ前に大成とは縁遠くなる人もいますが、地頭の良さは変わらないもので、その意味ではこのたとえ、当たっている気がします。
嗅覚は視覚や聴覚とは違って脳にダイレクトに伝わる感覚といわれます。それは、香りは見ることも聞くこともできないがゆえ、その正体が安全かどうかを瞬時に識別する必要があるからとか。そして我々には初めての香りであっても安全性を嗅ぎ分ける能力が備わっているそうです。
つまり嗅覚は人間が生き抜くための原始的な感覚で、香りが人間の深い部分を揺り動かし、心身のコンディションに大きく影響を与える力があるとされるのは、嗅覚という知性や理性の支配を受けない生理的な感性を刺激するからといわれます。
この秋、情報ステーションの恒例行事「ほっこり散策」では、白檀、丁字、桂皮、龍脳など伝統的な香料を用いて「匂袋」を作ります。
御身にまとわりついた世俗臭をしばし追い払い、香りの持つ力をお感じください。ご参加、お待ちしております。
(詳細ははなのぼうでご案内)
(五十嵐 幸夫)