5月24日、2つの講座を実施しました。午前のフラワーアレンジメントは9名が参加、「クロックポジション」による説明と事前に設置されたストローの長さをもとにお花をカットしたり、高さと位置を意識しながらアレンジしました。

素材はさわやかな5月のお花たちです。

メインのお花は3種。

  • レモンイエローのカーネーション
  • 白い小花のブバリア
  • 鮮やかなオレンジのスプレーバラ
メインのお花をオアシスに挿しています
(メインのお花をオアシスに挿しています)
手で触って高さを確認
(手で触って高さを確認しています)

薄紫色のスターチスは控えめに低く散らせ、濃い緑のつた状のアイビーをお花の間にあしらっていきます。ラストはかわいいピンクのピックをさし、器をリボンで結んでできあがり。

男子3名は初トライでした。既成概念にとらわれない大胆なアレンジが功を奏し、参加された皆さんからは「すごく上手」と絶賛コメントが飛びました。

完成品を手に、にこやかな表情
(完成品を手に、にこやかな表情の男子)

お互いの作品を触りあいっこしながら、「うわぁ、へえ」などと感嘆しつつ、同じ材料なのに見事に全部ちがった作品ができました。先生のお手本アレンジが見えないからこそ、自分の直感やイメージに忠実に取り組めた結果です。これこそバリアバリュー、周りが見えないからこそ自分の世界を自由に描ける力なのではないでしょうか。

「家族にプレゼントする!」、「お部屋に飾る!」など明るいコメントもあり、ほんわかムードの講座となりました。

午後のウェアラブルカメラ体験会は、今話題の視覚代行技術サービスということで、17名が参加しました。シンプル操作で手軽に見たいものを説明してもらえるのがこのシステムの魅力です。

ヘッドセット型のカメラを装着する利用者さん
(ヘッドセット型のカメラを装着する利用者さん)

自分の持ち物をカメラの向こう側のボランティアさんとの会話を通して「それが何なのか」を教えてもらったり、賞味期限やレシート、クーポン券の有効期限などを確かめてもらったりします。参加者の方もデモ体験され、ウェットティッシュ10枚入り かわいい入れ物に入っていますね」というボランティアさんからの説明を受けておられました。新しい技術への期待をこめたコメントや質問もあり、視覚代行技術の期待と関心がさらに高まるひとときとなりました。

ウェットティッシュを確認してもらっている利用者さん
(ウェットティッシュを確認してもらっている利用者さん)

「クロックポジション」とは、机上のものや料理を置いた場所を、時計の文字盤に見立てて説明する方法です。視覚障害者の皆さんから見て、手前が6時、向こう側が12時、右手が3時、左手が9時になります。「3時の方向にビールがあります、7時の方向に取り皿があります」といった感じです。

(鳥居寮 石川佳子)