公共図書館を対象に実施したアンケート報告― サービスの向上をともに目指して ―
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昨年7月に、公共図書館を対象に「障害者サービスを充実させるためのアンケート」を実施しました。29館中28館からご回答いただきました。なお、京都市内の図書館については、京都市中央図書館の回答で一本化しています。
まず、視覚障害者向けのサービスでは「拡大図書がある」が20館で、利用度も比較的高いようです。次に「点字図書や録音図書がある」が18館、「拡大読書機がある」が15館、「対面読書室がある」が12館ですが、いずれも利用度が低いようです。
「サピエ」の加入については「加入を検討している」が2館、「詳しく知りたい」が14館で、合わせて16館・53%と非常に関心を寄せていただいています。視覚障害者の利用や「サピエ」を利用した情報提供サービスなど、発信していきたいと考えています。
また、拡大図書の貸出やデイジー図書貸出の館間協力ですが、「可能である」が9館、「検討したい」が12館で、合わせて21館・75%でした。前向きに考えていただいており、個々の事例に取り組む中で連携を拡大していきたいと考えています。
ディスレクシア等の学習障害の方の利用は「時々利用されている」が2館で、「わからない」という回答がほとんどでした。学習障害の方は人口比で約5%ほどおられ、音声デイジーから発展したテキストデイジーやマルチメディアデイジーが視覚障害以外の方にも有効だということで注目されています。
今後の障害者サービスについては「充実させていきたい」が6館、「できるだけ応えたい」が12館、合わせて18館・64%と前向きに考えていただいています。反面、「厳しい」と考えておられる館も10館ありました。
情報ステーションに対してのご要望等では「視覚障害者を取り巻く情報環境やサービスの現状など教えてほしい」、「デイジー再生機の普及の取組状況など知りたい」、「目録が古いので最新版の目録がほしい」などがありました。
アンケート結果を踏まえ、特に「サピエ」や新しい様々なデイジー図書など、皆さんに知っていただくための情報発信をしていかなければと思っています。近いうちにご要望にお応えできるように取り組んでいきます。 (田中 正和)