はなのぼう 2010年4月20日号
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 政権交代をもたらした昨年の衆議院選挙は、有権者の関心も非常に高く、投票率も大きくアップしました。何人かの方から「点字の選挙公報がほしい」「ここに公報はないのか」「国民審査の公報を初めて見て役に立った」などという声をお聞きしました。

 衆議院選挙は、平成16年から活動を始めたプロジェクトの4回目となる国政選挙で、総仕上げの取組でした。全国44の都道府県の選管より「国民審査のお知らせ」38,380部、11ブロックの「比例区の選挙のお知らせ」38,597部、300の小選挙区の内の209選挙区の「選挙のお知らせ」35,023部のご注文をいただき、全国の点字出版所が必死にがんばって、納期に間に合わせることができました。

 録音によるお知らせも平成19年の参議院選より始まり、2回目となった衆議院選では、「国民審査」17,505部、「比例区」19,695部の注文があり、拡大文字版もそれぞれ1913部、2378部の注文がありました。

 平成16年の参議院選に際し、「視覚障害のある有権者に全文点訳の公報を届けたい。知る権利を保障したい」ということで

日本盲人会連合と日本盲人社会福祉施設協議会の点字出版部会が共同プロジェクトを立ち上げて、総務省や都道府県の選管に働きかけました。以前から選挙情報を全国的に手がけられていた施設とプロジェクトの2本立てとなり、手探り状態でした。しかし、3回目となる参議院選で一本化でき、衆議院選に向けての体制が整ってやり切ることが出来ました。

 そして、この夏の参議院選に向けて3月から動き始めています。慣れてきたあたりにミスを起こしやすいので、十分気を引き締めたいと思っています。

 今後は、点字版や音声版が選挙公報として発行が義務づけられる場合のことも視野に入れつつ、衆・参同一選挙となった場合の製作体制の問題と選挙期間の問題が大きな課題です。(衆議院の選挙期間が非常に短い問題。) (田中正和)