はなのぼう 2006年11月号
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視覚障害者にとって影響の大きい補装具や日常生活用具はどうなったのか?ひとことで言えば、「市町村でばらばら」になり、10月1日から本格的に実施ですが、まだいくつもの市町村で「従来どおり」です。

それでは、どんな種目が対象なのでしょうか?

補装具で視覚障害者関係は、義眼、遮光眼鏡、白杖となりました。これまでの種目から点字器が外されて日常生活用具に移りました。また、色眼鏡が消えてしまったことはロービジョン者に少なからぬ影響が出てきそうです。なお、白杖は“医師の判定は必要でない”とされています。日常生活用具については、対象者の制限がなくなって施設入所者等も対象になり、厚生労働省は「例示」として、いくつかの新しい種目も含めて示しました。例えば点字ピンディスプレイはこれまでは盲ろう者だけでしたが、視覚障害者全体にも拡げられました。また、今年の3月までパソコン周辺機器等を補助していたバリアフリー事業は日常生活用具に吸収され、「情報・通信支援用具」として視覚障害者にも適用される種目として入りました。

しかしながら、日常生活用具の給付品目の選定などはすべて市町村に任されましたので、上記の種目は「参考」でしかなく、各市町村で決定することになりました。各市町村にしっかりと確認していくことが必要で、強く要望していけば例示になくても追加される可能性もあります。逆に、要望をしないでいると、本当に必要なものすら外されてしまいかねないのですが、視覚障害者関係団体の働きかけはまだまだ不十分なところが多いようです。

点字図書の価格差補償については、従来の「要綱」は廃止されましたが、「例示」には入っています。扱いは各市町村まちまちで、日常生活用具と全く同様の煩雑な手続き・自己負担となったところや、従来の要綱の内容は引き継がれるものの手続きが煩雑化したところなどもあります。手続きも含めて各市町村に確認していくことが必要です。これからは、地域格差が大きくなっていくことが予想されます。今こそ各地域団体及び中央団体が十分に情報交換を行い、各市町村そして厚労省へもねばり強く要望していくことが必要でしょう。