はなのぼう 2007年11月20日号
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 インターネットの電子図書館である青空文庫は7月7日に10周年を迎え、それを記念して、青空文庫の一式を納めたDVDが全国の図書館に寄贈されます。この中には、すでに著作権が切れた作家・翻訳家407名の約6500点のデータが納められています。この「はなのぼう」が皆さまのお手元に着く頃には、公共図書館や、大学・短大・高校などの図書館に届けられるとのことで、必要な経費は、青空文庫のトップページの広告収入でまかなわれるようです。

 この青空文庫は、50年を過ぎて著作権が切れた作家の作品を集めて、テキストデータとしてダウンロードして読むことができますので、1日に約1万4千人が利用されているとのことです。視覚障害者についても、テキストデータの音声利用ができるため、インターネットが利用できる方々は青空文庫で「読書」をされています。また、「文字を大きくして」弱視者も利用できるなど、視覚障害者にも重要な役割を果たしています。

 今回の配布対象の「図書館」に点字図書館が入っていませんでしたので、全視情協では、「視覚障害者情報提供施設」も含めていただくようお願いすることになりました。ただし、点字図書館で貸し出し用にするには、テキストデータという新たな分野ですので、「ないーぶネット」での扱いも含めて、いくつかの対応が必要になります。特に、少ない古典文学作品の多くを点字に変換して読めるようになるのは大きなメリットです。もちろん変換だけではだめなので、その校正には手間も時間もかかりますが、分担することなども含めて、対応していく必要があるでしょう。

 なお、著作権保護期間が70年に、という動きもあります。そうなれば、自由に読める作品はかなり古いものだけになってしまいます。20年伸びる経済効果は非常に低い、という報告も出されています。私たちも、著作権保護期間が変に延長されないよう取り組むことも必要になってきています。(加藤俊和)

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