南部サテライトの取組みをお伝えします。

今月は「点字」。視覚障害者の方でも読み書きできる人は少ないと言われています。が、音声図書や機器が発達したとはいえ、優れたコミュニケーション手段として健在。町中のエレベータボタン横にもトイレのパネルにも点字表記はあります。
まずは、点字の構造のお勉強からスタート。縦なが長方形1マスの中に縦3行・横2列の合計6つの点があり、その組み合わせにより50音も数字もアルファベットも表現できるのです。点字は読み書き両方できる、優れものツール。まずは、読んでみます。

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(点字を読むときは、丁寧にマスを追っていきます)

スタッフ「6つの点すべてあるのが、メ、になります」。みなさんの手元には、京都ライトハウスでも使用する入門編のテキスト。メが連続して並んでいます。
スタッフ「点字が読めるコツは、まず左から右へ、まっすぐに横へ指を動かしていくことです」。1行目、2行目…。行たどりの練習です。

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(スタッフとみなさんで一緒に読んでいきます。読んでいる場所がわからなくなったら、ボランティアさんが教えてくれます)

ときどき、1マス2マスと空いています。「メ、メ、メ、メ…1マス空いて、メ、メ、メ、メ…2マス空いて、メ、メ、メ」とみなさんで、指を動かしながら、声に出して、読んでいきます。マスの幅を指が覚えていくことも、点字が読める大事なコツです。

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(みなさんで一緒に声に出しながら、指で読んでいきます)

ページをめくると、形の覚えやすい8文字が出てきました。「ウ・レ・メ・フ・ア・イ・ニ・ナ」。単語にもなっていきます。「アイ(愛)」「ウメ(梅)」。短文も出てきました「キレイナ(きれいな)カミヲ(髪を)アラウ(洗う)」。普段からの点字使用しているかたもいれば、まったく初心者という方もおられます。そうすると、自然と先輩ユーザーさんが先生役になってくれます。先生は、みなさんが一緒に読み進めていけるように、ゆっくり読んでくれます。最後のページはおまけで、スタッフは少し長めの文章を印刷しました。先生役のかたがサラサラと読んでくれます。みなさん、点字用紙の上をすべるように動く指の気配と読みスピードに感嘆、「すごーい、早い!」。はい、もちろん何十年と使っておられますから。すばらしい技術です。

次に、書いてみましょう。「点字板」という道具を使います。点字板は、蝶つがいのある「定規」の間にB5サイズの「点字用紙」をはさみ、定規についている点字のマス(窓枠のようなもの)に、先が針のようにとがっている「点筆」を上から押すことで、盛り上がった点が書けます。読むときには、紙を裏返しにします。今回は、シールに点字を打ちます。CDケースに貼るとアルバムタイトルがわかる優れものです。

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(緑色のものが点字板、自分で書いた点字をさわって読んでいます)

ある方は、先輩ユーザ-さんに自分の名前を書いてもらい、プレゼントしてもらいました。「いやー、嬉しいよ!」。今日のお土産ができましたね。冷蔵庫の中の薬味チューブがややこしいとき。文字が書けなくても、点のあるシール有が「わさび」、シール無が「からし」と区別がつけられます。このテープ状のシールは、みなさんに好評です。

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(リンクポケットの裏に自分の名前のシールをはりました。これで無くなることはありませんね、安心です)

サテライトでは、点字学習が人気です。点字ボランティアさんもたくさん参加してくださって、みなさんと勉強してくれます。点字は難しい、読めないと思っておられるみなさん。ゆっくり、ご自分のペースで、私たちと一緒に点字を始めてみませんか。

(鳥居寮 京極裕子)